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- 2024/12/18
Q&Aでオーガニックを知ろう!オーガニック・有機の意味・無農薬との違い・有機農法・有機肥料など
このコーナーでは、オーガニックに関する疑問や質問にお答えしています。オーガニックに関する素朴な疑問や知りたいことなどがあれば、お問い合わせフォームよりお寄せください。当コーナーでお答えします。
*法律で定められている場合を除き「オーガニック」という用語を優先的に使用していますが、意味は「有機」と同じです。
- Q
オーガニックの意味はなにか?
-
A
オーガニックは、有機と同じ意味です。
農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法をさします。
オーガニックが広まることにより、人や動植物、微生物などすべての生命にとって、平穏かつ健全な自然環境・社会環境が実現します。
国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。
これを分かりやすく整理しているのが、次のページです。
- Q
オーガニックの目的はなにか?
-
A
多くの人は「化学農薬や化成肥料を使わないで、食品の安全性を高めること」と答えるでしょうか?
しかし残念ながら、食品の安全性というのは、オーガニックの目的ではなく結果に過ぎないのです。オーガニックに何を求めるか? それは人それそれ、「安全」「健康」「美味しい」「綺麗」などなど、どのように考えてもいい。でも忘れてならないのは、私たち人間は微生物や植物がいなければ生きていけないという事実です。
微生物が自然界にある有機物を分解し、それを植物が吸収して育ち、光合成で栄養を作る。私たち人間を始めとする動物はそれを食べて生きている。土の中でも、水の中でも、地球上の生命はすべて食物連鎖でつながっています。
つまり、私たち人間が末永く健康であろうと願えば、微生物や植物の生存環境(汚染のない水・大気・土)を考えないわけにはいかないのです。ゆえにオーガニックは、化学農薬・化成肥料、そして環境ホルモンや遺伝子組み換え技術を避けて、自然のままの健全な食物連鎖を目指すのです。
- Q
オーガニックは安全?危険?
-
A
実際にこういう疑問を持っている方は多いようです。
ことさらに、オーガニック食品は「安全」とアピールする人が多いから、こういう質問がでてくるのでしょうか?
結論を先に言えば、オーガニック食品は一般の食品より安全です。
正確を期せば、「安全性が高い」あるいは「危害リスクが低い」と言うべきなのでしょうが、敢えて一般の食品と比べた場合には、安全だと言い切ってしまいます。
食品の安全は、3つの危害要因(異物などの物理的危害、菌類などの生物的危害、農薬や重金属等による化学的危害)が一定以下に抑えられているときに実現します。
このうち、物理的危害と生物的危害は、食品衛生法の下ですべての食品の安全性が担保されており、オーガニックが特別すぐれているわけではありません。しかし、化学的危害リスクは明確に異なります。オーガニックは、田畑で使う資材をはじめ、加工食品の添加物についても、可能な限り化学的なものを排除していますから、化学的危害リスクは一般の食品に比べて極めて低くなっているのです。
そうは言っても、オーガニックは「化学物質不検出」を保証するものではありません。
そもそも危害リスクが皆無の食品など存在しません。
あくまでオーガニックと一般食品の化学的危害リスクを比較した場合に「安全」ということです。というわけで、オーガニック=ゼロリスクは、過剰な期待といえるでしょう。
- Q
オーガニックは美味しいか?
-
A
オーガニック食品の購入動機に関する消費者調査では、「美味しいから」というのが多い。
また、学校給食の分野では、野菜嫌いの子供がオーガニックなら喜んで食べるという例が数多く報告されています。
よって、一般論としては「オーガニック食品は美味しい」と言えるでしょうが、個々のケースで必ず美味しいかというと、それはなかなか断言し辛いですね。家庭菜園で野菜を作った経験のある方なら実感できると思いますが、同じ畑で作った同じ品種の野菜でも、タネを蒔いた日やちょっとした条件の違いで、一つ一つ微妙に味が違う。また、収穫後の保管方法によっても味には違いが出ます。
例えばトマト。
遠距離流通する場合は、赤く熟す前に収穫して出荷します。これは、スーパーの店頭に並ぶときに、熟しすぎてしまうのを防ぐためです。
本当に美味しいトマトを食べたいと思えば、畑で真っ赤に熟したものをその場で頂けば良い。しかし、都会ではなかなか難しいですからね。一ついえることは、オーガニック食品は自然に近い味がする。
これは、家庭菜園をオーガニックでやってみれば誰でも実感できるはずです。
畑がなくても、プランターで作れる野菜もたくさんあります(トマトは比較的カンタンです)。庭やベランダでぜひ試してみてください。
- Q
オーガニック食品は高い?
-
A
まず、外国産と国産を比べた場合、日本は人件費や資材費、燃料費など生産に係るコストが高いため、価格が割高になるのは当然です。しかし、国産のオーガニックと一般を比べた場合、すべての品目で前者が割高とは限りません。例えば、1,000円/100gを超える高級煎茶のほとんどは、オーガニックではなく一般品です。
通常、食品の価格を決める要素は、生産コスト、流通経費、店頭での回転率(売れやすさ)、市場性や希少性など様々です。もし、日本のオーガニック食品が高いとするなら、先に挙げた要素のいずれか(または幾つか)が作用しています。
オーガニック茶が、1,000円/100gをなかなか超えられないのは、消費者の多くがねっとりとした甘みのある茶(窒素過剰な土地で育つ)を高級と判断するためで、市場性が関係しています。
- Q
オーガニック食品の表示ルールは?
-
A
日本のJAS法では、有機農産物と有機畜産物、有機加工食品を「オーガニック」として表示(販売)する場合、生産者や加工業者は、登録認証機関の検査・認証を受け、有機JASマークを付けることが義務付けられています。
この制度は、2000年から(畜産物は2020年から)強制法として施行になりましたが、それ以前は「有機表示のガイドライン」に基づいて、生産者や加工業者の自主的確認のみで有機表示できました。しかし当時から、ガイドラインを満たさない食品がオーガニックとして販売され、市場は混乱。真面目にオーガニックを作っている人たちまで疑われるという由々しき事態に陥っていました。
そんな折、国際的にもオーガニックの表示ルールを決めようという機運が高まり、国連の下部組織であるコーデックス委員会で議論が行われ、1999年コーデックス規格が発行されました。翌年には、コーデックス規格に基づいてJAS法のオーガニック表示ルールが確立したわけです。
しかし現在、JAS法で検査・認証が求められるのは、先述した「有機農産物」、「有機加工食品」「有機畜産物」で、水産物やそれらの加工品、食品以外の繊維や化粧品などは、オーガニック表示のための検査・認証が強制になっていません。理由は、これらの商品が市場でオーガニック表示されるケースが少なく、混乱していないためです。
JONAでは、JAS法による「有機農産物」と「有機加工食品」「有機畜産物」の検査認証のほか、水産物、コスメ、レストランなど、あらゆる産物の有機認証を手がけています。法律の枠組みだけにとらわれるのではなく、生活に役立つオーガニックを普及させていきたいと考えています。
- Q
検査認証制度は何のため?
-
A
国際ルールとしてコーデックス規格があるから、あるいはJAS法で決まっているから……、という回答が一般的かも知れませんが、ここでは少し違った視点で。
そもそもJONAは、オーガニックの検査認証を1993年から始めています。
当時はまだ、コーデックス規格もJAS法による検査認証制度もありませんでした。なぜ? 理由は簡単です。ちゃんとオーガニック基準(当時は欧米の基準が主流)に沿って生産・加工している人たちが、そのことをちゃんと証明し、アピールしたいと考えたからです。
有機JAS制度のスタート前は、任意の「有機農産物ガイドライン」に沿っていることを自ら宣言しても良かった。
でも、それでは間違いも多く、なかなか社会的信用が得られない。だから、利害関係のない機関に確認してもらいたい。そういう生産現場の思いと情報の信頼性を望む消費者の思いが相まって、JONAの設立へとつながったわけです。ときに、作り手と買い手が強い信頼関係で結ばれていれば、自ら「有機」と宣言しても通用するかもしれません。
大切なのは、第3者認証の有無というより、オーガニック基準に沿って栽培しているか否か。
分かりやすくいえば、だれが見ても基準に適合していることが重要なのです。基準は、民主的な議論を経て合意され、明らかになっているものですから、それに適合していることが信用の基礎となるわけです。
しかし自己宣言の場合、この点を担保するのが難しい。なぜなら、作り手、買い手の双方が、オーガニック基準を正確に理解できているケースは非常に稀だからです。第3者認証制度は、生産現場がオーガニック基準に適合していることを証明するための仕組みです。
- Q
オーガニックの検査は何をみる?
-
A
認証に際しては、JONAに所属する検査員が農場や加工場へ赴き、申請者がオーガニッ
ク基準に適合しているかを確認します。
また、認証後は毎年1回この実地調査を行い、継続的に基準適合性を確認します。
有機JAS認証自体に期限はありませんが、認証を継続するためには年1回の実地調査が必須になります。オーガニックの検査(調査)は、基本的に観察とインタビューで行います。
「農薬の残留検査は?」という声が聞こえてきそうですが、分析検査は毎回実施する
わけではありません。
汚染の有無を判断しにくい場合のみ、土壌や食品を現場で採取して行います。断っておきますが、分析は申請者を疑って行うわけではありません。
生産現場で行われている汚染対策が、有効かどうかを調べるのが主な目的です。
くれぐれも誤解なきように。
- Q
基準適合性は、誰が判断する?
-
A
申請者が、基準に適合しているかどうかは、現場に赴いた検査員の報告書をもとに、判定委員会が合議制で判断します。
判定委員会は、資格をもった判定員の集まりで、検査員とは別の人員構成になっています。検査と判定を別の人が行う理由は、検査員ごとのバラつきを解消し、平等かつ公正に基準適合性を判断するためです。
- Q
オーガニック食品は栄養価も優れている?
-
A
一部の野菜を対象にした分析実験で、オーガニックが一般品に比べてビタミンやミネラルが豊富に含まれるというデータはあります。
しかし、すべてのオーガニック食品が栄養価に優れていると結論するためには、もう少しデータの蓄積が必要だと感じます。いずれJONAでも、穀類、野菜、果物といった品目ごとに、また季節や産地ごとに比較分析をしてみたいと思っています。
個人的には、一般栽培で農薬や化学肥料を多めに使う品目、例えば穀類ならコメ、野菜ならゴボウ、果物ならナシやモモなどは、オーガニックと一般品の栄養価に大きな違いが現れると思っています。
- Q
日本で有機畜産は少ない理由は?
-
A
日本で有機畜産が育たない最大の理由はエサの問題です。
ウシ・ブタ・トリの区別なく、日本の畜産は輸入エサに頼っているのが現状で、遺伝子組み換え由来のエサは入ってきても、オーガニックの飼料が輸入されているという話はほとんど聞いたことがありません。
ならば、日本でオーガニックの飼料を栽培すればいいのではないか? 耕作放棄地は、全国にたくさんあるのだから、そこでオーガニックのエサを栽培すればいい――誰もがそう考えると思うのですが、人手不足でそれもなかなか進まない。
2011年度から始まった戸別所得補償制度でも、飼料イネの栽培などを奨励していますが、実際は輸入飼料の方が安価であり、なかなか買い手が付かないと聞きます。
なお2017年からは、農産物等で同等性のある国で認証を受けた有機飼料も、有機JAS畜産物の餌として使用することが可能になりましたが、有機畜産物の認証事業者の数は少ないままとなっています
- Q
土を使わない栽培物は、有機JAS認証の対象ではない?
-
A
多くの農産物(植物)は、土のある圃場で栽培されます。
土の中の微生物が有機物を分解し、植物はそれを吸収して育つからです。
しかし一部の野菜は、土の上ではなく、工場のような施設で人工的に育てることもできます。化学的な養液と機械的な照明で栽培するのです。このような栽培方法を一般的に水耕栽培と呼びます。最近では、レタスなどの葉物野菜を水耕で大規模生産する「植物工場」が増えています。
このほか土を使わない栽培方法としては、ワサビのれき耕栽培、シイタケの菌床・ほだ木栽培、スプラウト類があります。
このような土を使わない栽培方法は、基本的に有機認証の対象になりません。
なぜなら、土を使わない農法は、「自然循環機能を活用する」という有機農業の定義にそぐわないからです。ただし、キノコ類(原木栽培・菌床栽培)とスプラウト類は例外で、キノコ類は農林産物に由来する生産力を、スプラウト類は種子に由来する生産力を発揮することを基本として、有機認証の対象となっています。
細かいことはさておき、有機農業の基本は『土づくり』。
認証の審査において、土を中心とした自然循環機能をどのように活用しているかは、重要なポイントです。
- Q
国の有機JAS認証には、どのような種類がありますか?
-
A
現在、日本において有機基準(有機JAS規格)が制定されているのは、「有機農産物」「有機加工食品」「有機畜産物」「有機飼料」の4品目のみです。
このほかの水産物、コスメティクスなどは国の基準がありません。
有機水産物については藻類のみ規格化の動きがあります。2021年中には施行される見込みなのでJONAとしても期待しているところです。なおJONAはEUの基準に基づく有機水産物の認証を2020年からおこなっています。
オーガニックコスメにおいては、国の認証基準がなく、欧米各国でも認証団体が独自基準で認証を行っています。例えば、欧州では5つの認証団体によって設立されたCOSMOS認証基準があり、米国ではオーガニック食品基準(USDA)をコスメにも採用されていますが、世界統一基準はないのが現状です。
JONAでは、2012年より国内のオーガニックコスメの信頼性向上と日本の有機農業を広げたい、という想いからオーガニックコスメ認証基準を策定し、JONAオーガニックコスメ認証を始めました。詳しくは“認証メニュー”の「オーガニックコスメ」ページをご覧ください。
一方、有機繊維については、民間のGOTS(Global Organic Textile Standard)という基準が国際的に認知され始めています。
ところで、繊維の原料となるコットン(綿)の有機認証は、国際的には有機農産物の一部として解釈しますが、日本では繊維用の綿花は有機JAS認定を取得できません。
それはJAS規格の範囲が食品に限定されているためです。
油の原料になる綿実は有機JAS認証できますが、繊維の原料となる綿花は対象外。
なんとも複雑な制度です。
- Q
オーガニックと有機の違いはなんですか?
-
A
「有機」=「オーガニック」で同じ意味です。
現在、日本において、国がオーガニック基準(有機JAS規格)を決めているのは、「有機農産物」「有機加工食品」「有機畜産物」「有機飼料」の4種類です。
栽培方法、使える肥料、製造方法、使える食品添加物などの公的基準です。
一方、国でオーガニック基準を定めていない水産物、コットンなどの繊維、コスメティクス、などは、表示責任者が、「有機」「オーガニック」の根拠を持って表示します。
とくに近年、「オーガニック」という言葉は、”モノ”だけでなく、住居や音楽にも使われています。これは、健康や環境への配慮が食べ物だけにとどまらず、あるがままの自然なライフスタイルを目指す方が増えてきたということでしょうか。
- Q
JONAがオーガニック認定している商品には、どのようなものがありますか?
-
A
有機農産物では、有機米、有機野菜はもちろんのこと、ブドウや梅、柚子などの果実、有機椎茸なのどの有機キノコ類もあります。
有機加工食品は、有機緑茶、オーガニックレギュラーコーヒーやオーガニックティー、有機牛乳などの飲料。
日本の伝統食品である有機味噌や、有機醤油、有機納豆、有機こんにゃくも認定しています。
その他、オーガニックウスターソースやオーガニックマーガリンなどの調味料、オーガニックチョコレート、有機甘栗、有機水ようかんなどの菓子類も豊富です。JONA独自基準では、オーガニックハチミツ、オーガニッククロレラ、有機清酒、
オーガニックワイン、オーガニック梅酒、オーガニックコスメもあります。食卓の5%をオーガニック食材に替えてみる。。。
JONA認定商品なら可能です。
ぜひトライしてみてください。
- Q
オーガニック食品はどこで買えますか?
-
A
オーガニック食品は、一般のスーパーでも取り扱っている店が多いので、有機JASマークを目印に探してみてください。
また、有機食品を中心に扱っているネット販売もたくさんありますので、そちらも併せてご利用ください。JONAは、検査認証を行う第三者機関なので、有機食品等の販売に直接関わることができません。ただし、Instagramではオーガニック食材の生産者・製造者を紹介しているのでぜひこちらもご覧ください。
https://www.instagram.com/jona_organic/?hl=ja/また2013年5月から、農林水産省のホームページで、有機JAS認証事業者一覧を公表しています。氏名、住所、連絡先等の公表に同意された事業者のみの掲載ですが、業務用の取引には便利なリストになっていますので、参考にしてください。
有機JAS認証事業者一覧はこちら
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki_jigyosya_list.html
- Q
オーガニックとナチュラルの違いは?
-
A
オーガニックとナチュラルは少し違います。
分かりやすく言えば、オーガニックは人為的な生産や生活の方法であり、ナチュラルは天然物・自然物そのものを指します。
例えば栗。
栽培期間中に肥料やその他の人為的管理をしていればオーガニックの範疇、何もしないで落ちた栗の実を拾うだけならナチュラルです(自然採集物も有機農産物としてオーガニック認定は可能)。
また魚でいえば、養殖ハマチはオーガニックになり得ますが、海で獲れたハマチはナチュラルでありオーガニック認定にはなりません。このように、オーガニックとナチュラルは人為的活動によるものかどうかで区別されます。
細かい話をすれば、土を耕すのも、種を蒔くのも、草を取るのもオーガニックの範疇です。「では、自然栽培とはなんなの?」という声が聞こえてきそうですが、一口に自然栽培といっても色々な方法があり単純ではありません。
が、その多くは、「自然の摂理を模倣した人為的栽培」と表現できるので、上記で示した定義でいえばオーガニックの範疇と言えそうです。
- Q
オーガニックが目指しているのは……?
-
A
オーガニックは、自然と人間の調和を目指す。
そのために、物質の循環を一番に考え、日々の活動を行う。
安全とか危険という前に、循環できないものは避ける――それが基本の考え方。実は、とってもシンプルなのである。
- Q
オーガニックの検査・判定手法とはどのようなものですか?
-
A
第3者認証は、申請者の作業マニュアル(内部規程)の実施状況を、年1回の実地検査で担保する「システム監査」で成り立っています。
システム監査は、「内部規程=基準に適合する生産方法」という考え方がベースになっているので、内部規程を正確に実施することが事業者の責務であり、その実施状況を確認するのが認証機関の検査です。
一方、適合性監査は、生産ロットごとに「内部規程通りに生産できたか」という確認であり、有機JAS制度では「生産行程の検査」と呼んでいます。
つまり、有機JAS制度では、認証機関がシステム監査を、事業者が日常的な適合性監査を行うことで、有機食品の基準適合性を担保しているのです。
- Q
SDGsとオーガニックの関係は?
- Q
オーガニック基準でゲノム編集は認められますか?
-
A
従来より世界中のオーガニック基準が遺伝子組み換え技術を禁止しています。しかし、ゲノム編集については比較的新しい技術なので、基準によってはまだ立場がはっきりしていない部分があります。日本の有機JASも立場を明確にしていません(2021年末時点)。
ゲノム編集には、大別して以下の3つの技術があります。
- 外来の核酸を含む人工ヌクレアーゼ(ハサミのようなもの)でDNAを切断し、そこに細胞外で加工した核酸を移入して塩基配列を変える。
- 外来の核酸を含む人工ヌクレアーゼ(ハサミのようなもの)でDNAを切断し、そこが自然修復をした際に別の塩基配列に変わる。
- 外来の拡散を含まない人工ヌクレアーゼ(ハサミのようなもの)でDNAを切断し、そこが自然修復をした際に別の塩基配列に変わる。
上記1~3のうち、1と2については「遺伝子組み換えと同等」という解釈で世界的に禁止の方向で一致しているのですが、外来の核酸を含まない3の技術については禁止にすべきかどうか議論しているところです。
JONAでも今後の議論に注目しています。
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